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V2H
太陽光発電
蓄電池
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今回は、ニチコンのトライブリッドシステム「ESS-T3」の電気自動車へ充電する5つモードの違いについて解説させていただきます。
トライブリッドシステムとは、ニチコンから発売されている太陽光発電と蓄電池、V2Hの3つを、トライブリッドパワーコンディショナを中心に組み合わせたシステムです。非常に複雑なシステムで、電気自動車へ充電するだけでも5つのモードが存在します。これら5つのモードの違いを理解することで、ご自宅にあった充電モードを使っていただきたいです。
こちらのトライブリッドシステムの充放電に関する使い方と注意点をまだご覧になっていない方は、こちらの動画もあわせてご視聴ください!
トライブリッドシステムの電気自動車へ充電するモードは、自動運転の「グリーンモード」「EVモード」と、手動運転の「車両充電モード」「拡張充電モード」「エレムーブモード」があります。
仕事から電気自動車で帰宅したときに、どの運転モードで電気自動車へ充電すればいいでしょうか。
自動運転①グリーンモード
まず、「グリーンモード」は、太陽光発電した余剰電力を蓄電池や電気自動車へ充電することを売電よりも優先させる運転モードです。電力会社からの買電を減らしたい方にオススメです。また、設定によって、太陽光発電の余剰電力だけでなく、夜間の安い電力を買電して充電することもできます。
グリーンモードで動作中は、電気自動車の充放電範囲について注意点があります。電気自動車のバッテリー残量が15%未満になると、太陽光発電の余剰電力があっても電気自動車へ充電されません。蓄電池へ充電されるか、蓄電池が満充電の場合は売電することとなります。ですので、電気自動車のバッテリーが15%未満になっている場合は、電気自動車の残量が15%以上になるまで別の運転モードで充電しなければなりません。
自動運転②EVモード
次に「EVモード」は、太陽光発電したすべての電力を電気自動車へ充電させる運転モードです。蓄電池残量がある場合は蓄電池の電力も電気自動車へ充電されます。太陽光発電した電力で電気自動車を走らせたい方にオススメです。
ただ、太陽光発電した電力をご自宅で自家消費することができないため、ご自宅で使う電力は電力会社から買電することとなります。電気自動車が満充電になると蓄電池へ充電されます。
手動運転①車両充電モード
続いて、手動充電モードについて解説します。まず「車両充電モード」は、時間帯に関係なく、電気自動車へ充電を行うモードです。太陽光発電した電力を優先的に使用して電気自動車へ充電しますが、太陽光発電している電力量によって動作がかわります。
太陽光発電した電力を電気自動車へ充電してもまだ余剰電力がある場合、つまり、太陽光発電した電力が電気自動車への充電電力6kWよりも大きい場合は、その余剰電力をご自宅で自家消費したり、売電したりします。太陽光発電から車両への充電電力が不足する場合、つまり、太陽光発電した電力が電気自動車への充電電力6kWよりも小さい場合は、不足分を電力会社から買電して車両へ充電します。ほとんどの場合は後者になると推測します。
注意点は、「車両充電モード」にすると電気自動車へ充電することはできますが、蓄電池は待機状態となり、蓄電池は放電も充電もしなくなることです。また、「車両充電」が完了するとV2Hのコネクタロックが自動で解除されます。引き続き動作させたい場合は、希望の運転モードを手動で設定します。手動で何も設定操作をしないとコネクタロックが解除されてから 6 時間経過後に、「車両充電」が設定される直前の自動運転モードに切り替わります。
この6時間の間、蓄電池は待機状態のままで、V2Hもコネクタロックが解除されているので待機状態となります。つまり、蓄電池と電気自動車の電力どちらも使うことができません。また、太陽光発電している場合は自家消費することはできますが、余剰電力はすべて売電することとなり、蓄電池へ充電することができません。余剰電力を蓄電池へ充電させたい場合はコネクタロック解除後すぐに運転モードを手動で切り替えてください。
手動運転②拡張充電モード
次に「拡張充電モード」は、時間帯に関係なく、電気自動車へ最大 9.9kW の充電を行うモードです。電気自動車を早く充電したい場合に切り替えますが、急速充電は電気自動車のバッテリーの大きな負荷をかけてしまうのでオススメはできません。
拡張充電電力9.9kWになるよう、太陽光発電したすべての電力を電気自動車へ充電するだけでなく、蓄電池残量がある場合は蓄電池の電力も電気自動車へ充電されます。それでも9.9kWにならない場合は電力会社から買電もします。充電動作が終了し、電気自動車のコネクタロックが解除されてから 6 時間が経過すると、拡張充電モードに設定される直前の自動運転モードで動作します。
手動運転③エレムーブ充電モード
最後に、「エレムーブ充電モード」は、蓄電池がある場合のみ設定できる運転モードで、蓄電池から電気自動車へ電力を移動するモードです。電気自動車が接続されていない間に、太陽光発電した電力や夜間の割安な電力を一旦蓄電池に蓄えておき、移動させることで、より経済的に車両への充電を行うことができます。
電気自動車が満充電になるか蓄電池の残量がゼロになると動作を終了し、6時間の待機状態になりますので、すぐに動作させたい場合は、ご希望の運転モードに手動で設定してください。
注意点は、エレムーブ充電で動作している間は、蓄電池と電気自動車の電力をご自宅で使用できないことです。また、エレムーブ充電中に太陽光発電している場合は、太陽光発電した電力もエレムーブ充電に使われます。
充放電動作時に利用できる電気自動車の充放電範囲
最後に、電気自動車の充放電動作時に利用できる電気自動車の充放電範囲について解説します。
トライブリッドシステムの設定で、電気自動車へ充電するバッテリーの上限値や放電を停止するバッテリー下限値を設定することができます。これ以外に、電気自動車側でもそれぞれの車種によって決められたバッテリーの上限値と下限値があります。バッテリーの上限値はトライブリッドシステムの設定と電気自動車の仕様のうち、低い方が適用され、バッテリーの下限値は、高い方が適用されます。
所有している電気自動車のバッテリーの上限値と下限値については、ディーラーへ直接ご連絡いただくのが確実です。例としていくつか紹介いたします。特徴的なのは、上限が100%未満となっているため、トライブリッドシステムで上限100%に設定していても、電気自動車のバッテリーが99%までしか充電されないことです。95%未満の車種もあります。
例えば、お客様がi-MiEVをお持ちのとき、トライブリッドシステムでバッテリーの上限値を 100% に設定した場合でも、i-MiEVの仕様である充電可能上限値95% に達すると充電を止めます。また、下限値が0%の車種はほとんどなく、10%~30%の車種が多いです。同じくi-MiEVの場合、 トライブリッドシステムでバッテリーの下限値を 10% に設定した場合でも、i-MiEV の放電可能下限値30% に達すると放電を止めます。
まとめ
今回は、ニチコンのトライブリッドシステム「ESS-T3」の電気自動車へ充電する5つモードの違いについて解説させていただきます。
5つのモードの違いを理解して、ご自宅で日常的に使う運転モードを判断していただければと思います。電気自動車のバッテリーの充放電範囲はトライブリッドシステムの設定だけでなく、車種の仕様によってもかわりますので、この動画をご視聴いただいた方はお持ちの電気自動車の仕様を確認してみてください。
また、今回は電気自動車へ充電するモードについて解説しましたが、ニチコンのトライブリッドシステム全体の使い方、仕様に関して、疑問点や困っていることがある方は是非コメントをいただきたいです!私が回答できることはもちろん、メーカーにも確認して回答させていただきます。やっぱり実際に使用された方のご意見が重要ですし、これからトライブリッドシステムの導入を検討している方にとって必ず有益な情報となります。
トライブリッドシステムに興味持っていただいた方や、もっとこんなことを知りたいよ!蓄電池選びでこんなことに悩んでるよ!という方は、気軽に連絡ください。
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