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太陽光発電
今回は、屋根の上に太陽光パネルを設置する際にぜひ知っておいていただきたい、「影を避けるためのパネル配置の工夫」についてお話しします!
実はこのテーマ、すでに太陽光を導入されている方からも「最初に聞いておきたかった…」という声をよくいただく内容です。今回のブログで特にお伝えしたいのは、建物や樹木、電柱、そして陸屋根のパラペットといった“影をつくる要因”が、時間帯によってどう動くのかを事前にしっかり把握し、その上で太陽光パネルの“系統(回路)を分ける設計”がいかに大切かということです。
最近では、影の影響を軽減してくれる高性能なパネルも増えてきていますが、そうした機器に頼る前に、まずは「正しい系統分けをする」ことが基本中の基本になります。この“見えない部分の設計”こそが、長く安定して発電できるかどうかを左右する大事なポイントです。
そもそも、影がかかると何が問題?
太陽光パネルは、通常複数枚を1列につなげて「1つの回路(=系統)」として運転します。これは、いくつかの理由によるものです。
まず1つは、パワーコンディショナの入力回路の数が限られているからです。

パワコンには、入力回路数、端子数が決まっており、すべてのパネルを1枚ずつバラバラに管理することはできません。そのため、複数枚のパネルをまとめて直列に接続し、ひとつの入力回路として扱う必要があります。
もう1つの理由が、起動電圧の問題です。太陽光パネル1枚だけではパワコンが動き出すための「起動電圧」に達しません。
たとえば、パワコンの起動電圧が120Vだとすると、1枚で40Vのパネルであれば、最低でも3枚以上は直列につなげないと動かないということになります。こういった理由から、住宅用の太陽光システムでは2枚~3枚以上のパネルを1つの回路にまとめて設置するのが基本になります。

ただし、ここで注意したいのが“影の影響”です。直列でつながっているパネルの中に、たった1枚でも影がかかったパネルがあると、その1枚に合わせて、他のパネルの出力も落ちてしまうという弱点があります。
たとえば、東側に高い建物があると、朝の時間帯だけ一部のパネルに影ができますよね。その影のかかったパネルが、日中もしっかり日が当たる他のパネルと同じ回路に含まれていると、そのパネルに引っ張られて発電量が落ちてしまうという、非常にもったいない状況になります。
重要なのは「影の時間帯と向き」をふまえた系統設計!
こうしたロスを防ぐためには、どこに・いつ影ができるのかを把握し、影がかかりやすいパネルだけを別の回路に分ける「系統分け」の設計が非常に重要となります。ここが、今回一番お伝えしたいポイントです!
太陽は朝に東から昇って、夕方には西に沈みますよね。この太陽の動きに合わせて、屋根の上にできる影の位置も1日の中でどんどん変化していきます。朝は東側に長い影が伸びて、午後になると今度は西側に影が移っていきます。そして、冬は太陽の位置が低くなるので、同じ建物や構造物でも、影が夏よりもずっと長くなって広がります。
たとえば、午前中に東側の建物や木が影を落とすケースや、午後になると西側の電柱や隣の建物の壁が影をつくるような立地もありますし、陸屋根の場合には、パラペットという立ち上がりの壁が影の原因になることも多いです。このパラペット、特に冬場は影が長くなるので、思った以上に広い範囲に影を落としてしまいます。ですので、陸屋根ではそもそもパラペットのすぐそばにパネルを設置するのは避けたほうがいいというのが、私たちの基本的な考え方です。
影を受ける可能性が高い場所に無理にパネルを載せてしまうと、発電効率が下がるだけでなく、他のパネルにも悪影響が出てしまうことがあるからです。こうした「影がどこに、いつできるか」を事前にしっかりと想定したうえで、どのパネルをどの回路につなぐのか、つまり系統をどう分けるかを丁寧に設計することが本当に大切です。
たとえば、午前中だけ影がかかる場所があるなら、その部分だけ別の系統にして、午後以降も日が当たり続ける他のパネルには影響が出ないようにする。このような工夫をしておくことで、限られた屋根面積の中でもしっかり発電量を確保することができます。
太陽光発電は、単純に「何枚パネルが載るか」だけではなく、「どう載せて、どうつなぐか」によって、実際の発電効率が大きく変わります。
具体的な設計イメージ
ではここで、実際によくある屋根の形をもとに、影を避けながら効率よく発電できるようにする“系統分け”の考え方を、ひとつの例としてご紹介します。
たとえば、建物の屋根が南向きの片流れ屋根になっていて、そこに太陽光パネルを15枚載せられるとしましょう。このとき、建物の南東側に電柱や樹木が近接してあった場合、朝の時間だけ南面の右側一部に影がかかります。

昼になっていくとその影は自然に消えていくのですが、朝の時間帯は、その右側のパネルが一時的に影の影響を受ける状態です。
ここで気をつけたいのは、その影のかかるパネルと、日中ずっと日が当たる左側のパネルを同じ回路につなげてしまうと、朝の間は左側のパネルまで一緒に発電が抑えられてしまうという、非常にもったいないことが起きてしまうという点です。
ですので、このような場合では、朝に影がかかる右側だけで1つの回路、常に日が当たる左側のパネルは別の回路として分けてあげるのが、良い設計と言えます。

こうすることで、影の影響が出るのは朝だけで、右側のパネルだけとなります。左側のパネルは1日を通してしっかり発電するため、全体としての発電ロスを最小限に抑えることができます。
このように、同じ屋根、同じ向きに載せるパネルでも、時間帯ごとの影の動きをしっかり読み取って、どこをどの回路に分けるかを考えるだけで、発電量が大きく変わってきます。高価なパネルを選ぶとか、特別な機材を使うという話ではありません。あくまで“設計の工夫”によってできることです。
陸屋根にも要注意!
最近では、屋根が平らな陸屋根のご自宅にも太陽光発電を導入される方が増えています。この陸屋根タイプで特に気をつけていただきたいのが、「パラペットの影」です。
パラペットというのは、屋根のまわりにぐるっと立ち上がっている壁のことで、デザイン的にはスッキリ見えて人気もあるのですが、この部分が太陽光にとっては大きな影の原因になります。特に注意が必要なのは冬場です。太陽の高さは、季節によって変わります。冬は太陽が低い位置を通るため、同じ屋根でも夏より冬の方が、影がずっと長くなります。
つまり、パラペットのすぐそばにパネルを置いてしまうと、夏の間は影がかからなくても、冬になると想像以上に長い影が伸びて、パネルの発電に影響してしまうことがあります。ですので、私たちとしては、パラペットに近い位置には基本的にパネルを設置しないようにするのがセオリーです。

もし、どうしても設置する場合には、パラペットの影が落ちる可能性のあるパネルは、先ほどの例と同じように、別の回路として分けておくことで、影の影響を最小限に抑えることができます。こうすることで、影がかかった部分だけが一時的に出力が落ちるだけで済み、他のパネルには影響が出ないようにすることができます。
このように、陸屋根の場合も“どこにどれだけパネルが載るか”ではなく、“影をどう避けるか”という視点で設計することが非常に大切になります。発電効率をしっかり保つためには、パネルの選び方だけでなく、こういった設計の細かい工夫が、実はとても大きな違いを生みます。
「影に強いパネル」は万能ではない
最近では、太陽光パネルの性能も大きく進化してきていて、影の影響を受けにくいタイプの高性能パネルも多く登場しています。
たとえば、AIKOやマキシオンに代表される「N型パネル」は、影が一部にかかっても、全体の出力が極端に落ちにくいという特長があります。従来のパネルに比べて、温度に強く、劣化しにくいという点でも評価されています。
こういったパネルは、影が出やすい環境や限られた屋根面積の中でも、できるだけ発電ロスを抑えたいという方には、とても心強い選択肢です。ただ、ここでひとつ大切なことをお伝えしたいのが、「影に強いパネルを使えば、系統設計は適当でいい」というわけではないということです。
どれだけ性能の高いパネルを使っていても、朝だけ影ができる場所と、日中ずっと日が当たる場所を同じ回路につないでしまえば、影のある時間帯はその回路全体の発電出力は多少なりとも影響を受けてしまいます。つまり、性能の良さを最大限に発揮させるためには、「正しい設計」が必要不可欠です。
私たちがお客様にお伝えしているのは、「高性能なパネルを選べば安心ですよ」ということではなく、「その性能をしっかり活かせるように、影の位置や時間帯に合わせて系統を分けることが大切です」ということです。太陽光発電のシステムは、どんなパネルを選ぶかも大事ですが、実は“どう設計するか”で結果が大きく変わってきます。
だからこそ、屋根の形状や影の出方、時間帯などをしっかりふまえて、最適な配置と接続を行うことが、長く使える満足度の高い発電システムにつながっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、太陽光パネルの発電効率を最大限に引き出すために欠かせない、「影を避けるパネル配置の工夫」についてお話ししました。
太陽光発電は、ただ屋根いっぱいにパネルを載せれば良いというものではありません。どのパネルにいつ影がかかるのか、そしてその影が他のパネルにどう影響するのかをしっかり考えて、系統(回路)を正しく分けることがとても大切だということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
たとえば、朝だけ影がかかるパネルがある場合には、その部分だけ別の回路に分けることで、他のパネルの発電を守ることができますし、陸屋根などで影ができやすい場所には、最初からパネルを置かないという選択も重要です。最近では、影に強いパネルも増えてきていますが、どんなに性能が良くても、“つなぎ方”を間違えれば、本来の力は発揮されません。だからこそ、見えない部分の設計、つまり「系統分け」の工夫が、長く安定した発電には欠かせません。
これは、高価な機器を使うことよりも、むしろ設計段階の考え方次第で誰にでも実現できるポイントです。これから太陽光発電の導入を検討している方は、周辺環境にあわせて“つなぎ方”に着目してみてください!
もちろん、太陽光パネルや蓄電池の設置だけでなく、設置後も上手に使えるようアフターフォローを重視している方は、見積りも受け付けていますので、お気軽に連絡ください!
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