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V2H
電気自動車に充電した電気を家で使うV2Hシステムが注目されています。
V2Hと太陽光発電、EVを上手に使うことで、電力会社から電気を買う量を減らすことができ、電気代の節約につながります。そして今、このV2Hを導入する方に向けて、最大65万円の補助金が出る制度「CEV補助金」が公募スタートしています。機器の費用は半額まで、工事費は全額補助されるという、かなり手厚い内容になっています。ただし、補助金には予算がるため、申し込みは先着順です。公募期間内でも、予算がなくなり次第終了となってしまいます。
今回のブログでは、補助金を上手に活用しながら、どのV2Hを選べば自分に合っているかを判断しやすくするために、おすすめのV2H機種を3つピックアップしてご紹介していきます。それぞれの機種の特長や向いているご家庭のタイプもお伝えしていきますので、ぜひ導入の参考にしてみてください。
V2Hに対するCEV補助金の概要
まずは、今回のV2H導入に活用できる「CEV補助金」の内容について簡単にご説明します。
2025年度のCEV補助金では、V2Hシステムを導入する際に、機器の費用の2分の1、上限で50万円まで補助されます。さらに、工事費については全額、上限で15万円まで補助される形になっています。つまり、V2Hの本体と設置費用を合わせて、最大65万円の補助が受けられるという内容です。補助の割合も大きくて、家庭で導入するエネルギー設備の中でも、かなり魅力的な制度になっています。

この補助金の公募期間は2025年7月25日から9月末までです。ただし、これは予算が確保されているあいだの話で、申し込みが多ければ早めに受付が終了する可能性もあります。

それから、申請にあたってはいくつか条件もあります。まず、EVかPHEVをすでに持っている、もしくは購入を契約していることが必要です。そして、申請者の住所、V2Hを設置する場所の住所、車検証に記載されている「使用の本拠の位置」、この3つがすべて一致していることが条件になります。補助金を受けるには、このあたりの書類の内容も重要になりますので、手続きについて不安な方は、ユーニヴァースにご相談いただければ、しっかりサポートいたします。

申請条件やスケジュールを確認したうえで、次に気になるのが、「どのV2Hを選べばいいのか?」というところだと思います。ここからは、補助金を活用してお得に導入できる、おすすめのV2H機種を3つご紹介していきます。それぞれに特長や向いているご家庭のタイプがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ機種①:オムロン単機能V2X
まずは、コンパクトで設置しやすく、後付けにもぴったりなモデルとして人気のオムロン単機能V2Xからご紹介していきます。この機種の一番の特長は、太陽光発電や蓄電池がすでにあるご家庭でも、V2Hだけを後から追加しやすいというところです。機器の構成は、パワーコンディショナとEVユニットの2つに分かれたセパレート型になっています。この2つに分かれていることで、設置する場所を自由に選べるのがポイントです。たとえば、パワコン本体は家の裏側など目立たない場所に設置して、EVユニットだけを駐車場近くに置く、といった設置も可能です。機器1台1台がコンパクトなので、スペースが限られている住宅にも柔軟に対応できます。
基本性能はこのようになっています。

マルチV2Xパワコンの交流定格出力、電気自動車からおうちへ供給できる最大の出力は5.9kWです。停電時でも最大6kVAの出力があります。使用周囲温度は-20℃~+50℃の範囲で、冷却方式がニチコンEVパワーステーションの強制空冷ではなく、自然空冷なので、音が静かです。

また、海岸および汽水域(きすいいき)から500mの範囲であれば重塩害仕様もあります。それから、専用のスマートフォンアプリも用意されています。専用アプリで、いつでもどこでも充電・放電をコントロールすることができます。充放電ケーブルが電気自動車に接続されていることが前提となりますが、急に電気自動車に乗ることになっても、外出先から電気自動車の充電残量を確認できるだけでなく、必要があればすぐに充電開始の操作をすることができます。

ここまでの内容をまとめると、オムロンの単機能V2Xは、「すでに太陽光や蓄電池があって、V2Hだけ後から追加したい」、「敷地が狭いから、できるだけスリムに設置したい」、「騒音が少ない静かな機器がいい」、という方にとてもおすすめのモデルです。
おすすめ機種②:ニチコンVCG
次にご紹介するのは、コストを抑えてV2Hを導入したい方におすすめの一体型モデルです。それがこちら、ニチコンのEVパワーステーションVCGシリーズです。このVCGは、パワーコンディショナとV2Hスタンドがひとつにまとまった一体型の構成になっています。設置もシンプルで、機器の組み合わせに迷う必要もありません。

そして何よりの魅力は、本体価格が安いという点です。ニチコンのEVパワーステーションは、先ほど紹介したオムロンV2Xのように、パワーユニットとプラグホルダの機器が分かれている新型のVSGシリーズもあります。

これと比較すると、本体価格が20万円ほど安くなっていて、補助金を活用すれば、さらに導入コストをぐっと抑えることができます。「とにかく予算を抑えてV2Hを導入したい」「最低限の機能があれば十分」という方にとっては、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢です。
ただし、一体型の構造になっている分、本体サイズがやや大きめです。そのため、設置するには駐車場などにある程度のスペースが必要になります。特にコンパクトな住宅や、スペースが限られている敷地では、あらかじめ寸法確認をしておくのが安心です。

また、EVパワーステーションや先ほど紹介したオムロンV2Xは、V2Hシステムの中でも単機能タイプと呼ばれるV2Hシステムです。単機能タイプとは、こちらの図のように太陽光発電システムを導入されている場合、太陽光発電した電気を電気自動車へ充電する際に、充電経路に住宅用分電盤があるシステムです。太陽光発電システムとは独立したシステムで、太陽光発電システムなしでも導入することができるV2Hシステムです。
太陽光発電した電気を電気自動車へ充電する際は、太陽光発電用のパワコンで直流から交流へ変換、V2H用パワコンで交流から直流へ変換する必要があるため、変換ロスが生じます。それぞれの変換ロスが4%、9%とすると太陽光発電した電気を電気自動車へ充電するまでに13%近く損失していることとなります。

また、その電気自動車へ充電した電気をおうちでつかうとV2H用パワコンでまた9%近い変換ロスが生じるため、最終的に20%近くの太陽光発電した電気を損失してしまうこととなります。

太陽光発電システムがない場合は、夜間の安い電気を買電して電気自動車へ充電しますが、その際も充電時に約9%、おうちでつかう際にまた約9%の変換ロスがあります。つまり、電力会社から100kWh買って電気自動車に充電しておうちでつかっても最終的には80数kWhしかつかうことができません。これだと昼間の電気を電力会社から買って使うのと経済効果がほとんど変わらないですし、経年劣化で変換ロスがさらに下がれば、そのまま使った方が経済的になる可能性があります。
ですので、私としては、太陽光発電システムなしで単機能タイプのV2Hシステムの導入はオススメしません。全体として、このVCGシリーズは、「V2Hって高そうだけど、なるべく安く始めたい」「設置工事もシンプルな方がいい」という方にぴったりのモデルです。コストを抑えつつ、基本的なV2Hの機能をしっかり活用したい方におすすめです。
おすすめ機種③:ニチコントライブリッドT3
ここまで、オムロンV2XやニチコンVCGのように、シンプルさやコストを重視したモデルをご紹介してきました。最後にご紹介するのは、太陽光・蓄電池・V2Hをすべてまとめて効率よく使いたい方におすすめのフル連携モデルです。それが、ニチコンのトライブリッドパワーコンディショナT3です。このT3は、1台のパワコンで、太陽光・蓄電池・電気自動車をすべて制御できるシステムになっています。別々のパワコンを組み合わせるタイプとは違って、変換ロスが少なく、電気をムダなく使えるのが最大の特長です。

さらに、T3ならではの機能として、「エレムーブ」という仕組みがあります。これは、太陽光で発電した電気をいったん蓄電池にためておいて、夜、電気自動車が帰ってきたタイミングで、その電気をEVに移すことができる機能です。たとえば昼間に太陽光発電をしても、EVで外出中だったら充電できないですよね。でもT3なら、発電した電気をちゃんと蓄電池に残しておいて、帰宅後にまとめてEVへ充電することができます。太陽光の電気を最大限ムダなく活用できます。

そして、停電時の対応力も抜群です。太陽光が発電していれば日中も電気が使えますし、蓄電池にためた電気、さらにEVにためておいた電気も活用できるので、長時間の停電にも強い安心のシステムです。

T3の魅力はこれだけではありません。導入のタイミングを自由に調整できるという点も大きなメリットです。「まずはV2Hスタンドだけ設置して、あとから蓄電池を追加する」というように、段階的に設備を増やしていける柔軟性も備えています。

ここまでの内容をまとめると、T3は、「初期費用が多少かかっても、太陽光の電気を効率よく活かしたい」「将来的に蓄電池を追加していきたい」といった方に、とても向いているモデルです。
まとめ
ここまで、V2Hに使える補助金の内容と、おすすめの3機種についてご紹介してきました。2025年度のCEV補助金では、V2H本体の費用が半額まで補助されて、さらに工事費も全額出るという、かなり手厚い内容になっています。合計で最大65万円の補助が受けられる制度なので、活用できれば大きなメリットになります。ただ、この補助金は公募期間が決まっていて、しかも予算がなくなり次第、受付が終了してしまいます。ですので、タイミングを逃さずに申し込むことがとても大切です。
今回ご紹介した3つのV2H、それぞれに特長がありました。オムロンのV2Xは、すでに太陽光や蓄電池を導入されていて、V2Hだけ後から追加したい方にとってはとても使いやすい構成になっています。本体がコンパクトで、設置場所の自由度も高いので、スペースが限られたご家庭にも向いていますし、運転音が静かという点も安心できるポイントです。ニチコンのVCGは、とにかくコストを抑えたいという方におすすめです。シンプルな一体型で、必要な機能はしっかり備わっているうえに、価格が比較的安いので、補助金を使えばかなり導入費用を抑えることができます。Wi-Fiの届く範囲に設置する必要がある点だけ注意していただければ、初めてのV2Hにもぴったりのモデルです。
そして、ニチコンのトライブリッドT3は、太陽光発電と蓄電池とV2Hを一体的に管理したいという方に向いています。昼間の太陽光をいったん蓄電池にためて、夜に帰宅した電気自動車へ充電するエレムーブ機能が使えるので、発電した電気をムダなく使うことができますし、停電時にも太陽光・蓄電池・EVのすべての電気を活用できるという安心感もあります。初期費用は少し高めになりますが、長い目で見ればとても効率のいいシステムです。どの機種が合っているかは、ご家庭の状況やこれからのライフスタイルによっても変わってきますので、気になった方はぜひ一度ご相談ください。

もちろん、太陽光パネルや蓄電池の設置だけでなく、設置後も上手に使えるようアフターフォローを重視している方は、見積りも受け付けていますので、お気軽に連絡ください。
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