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太陽光発電
今回は、世界トップクラスの太陽電池モジュールメーカー「Qセルズ」を展開するハンファジャパン株式会社から、2025年2月から出荷開始される、新型「Q.TRON」太陽光パネルを紹介いたします!
ハンファジャパンは韓国の大手企業ハンファグループの日本法人です。太陽光発電事業の他に、電力小売り事業や化学製品、金属製品、自動車部品などの事業を展開しています。ハンファグループの太陽光パネルには日本市場限定の「Re.RISE」シリーズとグローバル展開している「Qセルズ」シリーズの2つのシリーズがあります。
「Re.RISE」シリーズについて詳しく知りたい方は、こちらの動画も併せてご確認ください!概要欄にURLを載せておきます。
ラインナップ
まず、新型Q.TRON太陽光パネルのラインナップは、440Wの1種類のみです。従来モデルは430Wと285Wの2種類あり、それらを屋根の形状にあわせて組み合わせることで設置できる容量を多くすることができましたが、新型Q.TRONではそれができません。
太陽光発電システムを導入するうえで、設置容量を重視する方は、別のメーカーの設計も依頼してみて比較検討することをおすすめいたします。440Wパネルの大きさは1722mm×1134mmで、従来の430Wと同じ大きさです。変換効率は従来の22.0%から0.5%向上して、22.5%となっています。
変換効率とは、太陽の光エネルギーをどれだけの電気エネルギーに変換できるかを表す指標です。変換効率が高いということは、太陽光パネルの大きさや設置できる面積が同じでも、より多くの発電量を期待できるということです。太陽光発電システムに興味を持ち始めた方は、「変換効率22.5%って高いの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。現在の太陽光パネル市場では、変換効率が20%以上であれば合格ライン、22%を超えると高効率とされています。たった0.1%の違いが太陽光パネルの性能においては大きな差になります!
N型太陽電池セル
22.5%という高い変換効率を実現しているのは「N型太陽電池セル」を採用しているからです。
N型とは、太陽電池セルに使用されている半導体の構造に関連する用語です。半導体にはN型とP型の2種類があります。詳しい構造については省略しますが、N型とP型の構造の違いによって電気的な特性も異なります。Q.TRONで採用されているN型太陽電池セルは、光を逃がしにくい構造となっており、効率・発電量が高いです。つまり、弱い光でも発電できるため、発電開始の時間が早まり、発電終了の時間が遅くなるという一日の発電時間・発電量が向上します。
温度係数
また、太陽光パネルは通常、周囲の温度が高くなると発電効率が落ちてしまいます!実際に太陽光発電を導入された方ならわかると思いますが、1年の中で最も太陽が高い位置にある7,8月の発電量よりも少し涼しい4,5月や9月10月の方が多くなります。
太陽光パネルの発電効率が周囲の温度によって変化することを表すのが「温度係数」といって、この温度係数が小さい太陽光パネルほど、周囲の温度が高くなっても発電効率が落ちない高性能な太陽光パネルといえます。太陽光パネルの選定において重要な要素の一つです。
新型Q.TRON太陽光パネルはこれが1℃あたり-0.30%です。これは、パネルの温度が1℃上昇すると、発電効率が0.30%低下することを指します。25℃を基準に計算されるため、気温や太陽の熱によって太陽光パネルが50℃に達すると発電量が7.50%ほど減少する可能性があります。
出力保証
新型Q.TRONの出力保証期間は業界標準の25年間が付いています。また、その出力保証値は、初年度が98.5%で、2年目以降は年間-0.33%の低下率です。
出力保証とは太陽光パネルの出力が一定の期間、規定の数値を下回った場合に、メーカーが修理や交換を行ってくれるものです。太陽光パネルは設置してからずっと同じ発電効率を維持することは難しく、年々少しずつ低下していきます。このような発電効率の低下も考慮したうえで、発電出力の保証値を定めています。
デメリット
最後にQ.TRONのデメリットについても紹介します。デメリットは次の3つです。
まず、パネルのラインナップが1種類しかないため、屋根の形状によっては効率よく設置できないことが多いところです。また、N型太陽電池セルを採用して、出力保証値が年間-0.33%と経年劣化率が低いにも関わらず、出力保証期間が25年と短いところです。最近紹介したマキシオンのパフォーマンス7やカナディアンソーラーの新型C6.2シリーズは同じN型で30年という長期保証ですので、この2つのメーカーと比較すると少し劣ってしまいます。
価格もやや高いため、ドイツ発祥のQセルズブランドをどうしても設置したい方はいいのですが、コストパフォーマンスを重視する方は同じハンファジャパンのRe.RISE、またはカナディアンソーラーの太陽光パネルの方がおすすめかなと思います。
まとめ
今回は、世界トップクラスの太陽電池モジュールメーカー「Qセルズ」を展開するハンファジャパン株式会社から、2025年2月から発売される、新型「Q.TRON」太陽光パネルを紹介しました。
N型太陽電池セルは、高効率で経年劣化率が低いところが特長です。ただ、新型Q.TORNはパネルが1種類しかないため、できるだけたくさん太陽光パネルを設置したいと考えている方は、他のメーカーと比較検討するといいでしょう。
もちろん、今回のQ.TRONの太陽光パネルに関する質問や見積りも受付けているので、もっと詳しいことが知りたい方は、お気軽に連絡ください。
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